暑さ指数(WBGT)とは
2025年03月06日
暑さ指数(WBGT)の基礎知識
暑くなると熱中症のリスクが高まります。気温だけでなく、湿度や風の影響も大きく、同じ気温でも感じる暑さは異なります。
そこで重要になるのが暑さ指数(WBGT)です。これは、暑さが人体に与える影響を把握するための指標で、特に屋外での活動や高温環境での作業時における熱中症対策に役立ちます。
なぜ、WBGTが重要?
例えば、異なる環境において気温は同じ30℃でも、湿度が高いとWBGTは上昇し、熱中症のリスクが大幅に高まることがあります。WBGT28以上で注意が必要、31以上で運動中止レベルとされ、命に関わる可能性も。
WBGTは気温だけでは測れない「暑さの本当の危険度」を示すため、熱中症対策にとても役立つのです。
では具体的に見てみましょう。
※1 輻射熱とは、日射しを浴びたときに受ける熱や、地面、建物、人体などから出ている熱です。
※2 正確には、これら3つに加え、風(気流)も指標に影響します。
WBGTの計算方法
WBGTは以下の3つの温度(℃)を組み合わせて算出されます。
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湿球温度(Tw:Wet Bulb Temperature)
→ 空気の湿度を反映する温度(汗の蒸発でどれだけ冷却できるかを示す)
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黒球温度(Tg:Globe Temperature)
→ 太陽光や周囲の輻射熱(ふくしゃねつ)を受けた物体の温度(直射日光の影響を考慮)
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乾球温度(Ta:Dry Bulb Temperature)
→ 通常の気温(気象予報で見る気温)
屋外と屋内で異なりますが、一般的な計算式は以下の通りです。
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屋外で太陽照射のある場合
→ 湿度の影響が大きく、輻射熱も考慮
WBGT値=0.7×Tw+0.2×Tg+0.1×Ta
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屋内や屋外で太陽照射のない場合
→ 湿度と気温が主な要因
WBGT値=0.7×Tw+0.3×Ta
実際の計算式を見ると、湿球温度(Tw)、黒球温度(Tg)、乾球温度(Ta)の3つの温度が使われていることがわかります。
また、暑さ指数(WBGT)には湿球温度の占める割合が多いことがわかります。湿球温度は、汗が蒸発する際にどれだけ冷却できるかを示す温度の一種で、熱中症のリスクを評価する上で重要な要素です。湿度が高いと、汗の蒸発が難しくなるため、体感温度が高くなり熱中症のリスクが高まります。
その場所の暑さ指数(WBGT)を知る方法
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暑さ指数(WBGT)を測定する
計測するためには、暑さ指数計が必要です。自然湿球温と黒球温を測定することにより、気温のみならず湿度・風速・輻射熱の影響も評価し、暑さ指数を算出します。
暑さ指数(WBGT)を測定する際は、JIS Z 8504 または JIS B 7922 に適合した暑さ指数計を使用することが推奨されています。
詳細は
環境省「熱中症予防情報サイト」暑さ指数(WBGT)について 暑さ指数(WBGT)の詳しい説明 をご確認ください。 -
環境省サイトで各地のデータを得る
環境省熱中症予防情報サイトでは、4月後半から10月後半まで、暑さ指数の全国各地の地点の実測値、実況推定値、予測値が提供されています。
実際の測定環境や条件によって、実測値と差異が生じます。実際には、より厳しい暑熱環境になっている場合があります。
詳細は
環境省「熱中症予防情報サイト」全国の暑さ指数(WBGT) をご確認ください。
暑さ指数(WBGT)を熱中症予防に活用する
暑さ指数(WBGT)は、日常生活、運動、作業環境それぞれの環境における熱中症予防のための指標として広く活用されています。
例えば、運動環境では(公財)日本スポーツ協会が「熱中症予防運動指針」を、日常生活環境では日本生気象学会が「日常生活における指針」を公開しています。また、作業環境においては、国際規格のISO7243や国内規格のJIS
Z 8504が定められています。
それぞれの環境において、暑さ指数(WBGT)を活用して熱中症リスクを評価し、安全管理に役立てています。
日常生活に関する指針
日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.4」(2022)より改編※※ 日本生気象学会の承諾を得て、出典元の「WBGT」を「暑さ指数(WBGT)」とし、値を気温(単位は℃)と区別しやすいように、単位のない指数として表記しています
運動に関する指針
※暑さに弱い人とは、体力の低い人、肥満の人や暑さに慣れていない人などを指します。(公財)日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2019)より
環境省「熱中症予防情報サイト」
作業者に関する指針
職場における熱中症リスクの把握は、作業者の身体作業強度、衣類の組合せ、暑熱順化の有無を考慮し、それに応じたWBGT基準値と実際の暑さ指数(WBGT)を比較します。
厚生労働省「職場における熱中症予防情報」
大切なのは暑さ指数(WBGT)を適切に評価し周知すること
熱中症予防には下記のような対策が有効です。
- 十分な水分補給
- 適切な休憩時間の確保
- 風通しの良い場所で作業
- 帽子や日傘を使用して日差しを避ける
- 長時間の屋外作業を避ける
ただし、労働環境や運動環境など、それぞれの活動場所において、暑さ指数(WBGT)を把握し、熱中症リスクの有無を適切に評価した上で、それを情報共有し、対策に繋げることが重要です。
hoyahoyaの熱中症対策コンテンツ
弊社の熱中対策情報コンテンツは、暑さ指数(WBGT)を表示(※)し、熱中症リスクを可視化し、次の行動を促します。熱中症リスクの評価は、日常生活環境・運動環境・作業環境の3つの指針から選択して表示をすることが可能です。
暑さ指数の情報を日常的に意識し、適切な行動をとることは簡単ではありません。数値を確認する機会が少なかったり、どの程度の危険性があるのか判断が難しかったりすることもあります。
計器を用いて実測値を表示する「実測版 熱中対策情報」や、環境省の予測値を表示する「予測版
熱中対策情報」をご用意しております。
詳しくは、コンテンツページをご覧ください。
※弊社の「予測版
熱中対策情報」では、環境省の「暑さ指数(WBGT)予測値等電子情報提供サービス」の暑さ指数の予測値を利用しています。サイネージ設置場所のピンポイントの熱中症リスクを表示したい方は、「実測版
熱中対策情報」をおすすめしています。
実測版 熱中対策情報
with SisMil
実測データによる暑さ指数(WBGT)とその危険度をサイネージに表示します。複数箇所の実測値に対応し、危険な箇所から表示するため、迅速な安全対策に貢献します。
- 3つの指針
- 9:16〜16:9画角に対応
予測版 熱中対策情報
サイネージの設置場所に最も近い観測地点の暑さ指数(WBGT)予測値と危険度予測を表示します。事前の安全対策にご利用ください。サービス提供期間(4月後半〜10月後半)
- 3つの指針
- レスポンシブ対応